熊本県内各地に存在する、巨木の数々。深い森の奥深くに、ちょっとした木立の中に、そして時にはぽつんと一本だけ立っている、さまざまな巨木を訪ねます。
今回訪れたのは県央エリア、氷川町にある「法道寺薬師堂のクスノキ」です。
久しぶりに東海林メアリー(鳩)氏が同行してくれました。
法道寺薬師堂のクスノキって?
法道寺薬師堂があるのは氷川町野津。Googleマップでそのまま出て来ます。
薬師堂の前に立つ2本のクスノキ。法道寺そのものはすでに廃寺になっていますが、この薬師堂のほか、少し離れた場所に石碑や観音堂も残されています。
かつては大伽藍の大きなお寺だったようです。
2本のクスノキが、背後にある薬師堂を守っているようにも見えました。
薬師堂内部には、見事な天井画も。中央奥には薬師如来像が安置され、十二神将らしき像もおさめられていました。
樹齢は600年超と言われていますが、詳しくは分かっていません。
幹まわりは約8.2メートル、高さは約30メートルあります。
力強く根を張っています。
1879(明治15)貝塚の調査にきた考古学者エドワード・モースがこの木のスケッチを残し、「見事な老樹」と評したのだそう。当時すでに古い巨木だったことがうかがえます。
大きさ比較のためメアリーに入ってもらいました。こんなサイズ感です。
ふるさとの巨木
薬師堂の隣には公民館があり、この日はちょうど近所で回収された空き缶などが集められていました。
地域の方々がいらっしゃったので、クスノキを見に来たこと、おじゃましてすみませんとお話しすると、作業の手を止めて色々と教えてくださいました。
小さい時にはよく登ったり、幹の穴に隠れたりして遊んでいた。古い木だけれど、集落にとって欠かせない存在。
ずっとみんなが親しんで、大切にしてきた木。この木を美しいな、素敵だな、とよその人が思ってくれたら嬉しい。
そんなお話を聞きました。
こんな素敵な巨木に守られた集落って、とってもいいな。と思いました。
まとめ
氷川町、法道寺薬師堂のクスノキ。
古くから地区の人々に愛され、村の象徴のような存在だったであろう巨木です。
初めて見るのに何だか懐かしい、美しい御堂と巨木でした。
*ご紹介する巨木は各自治体で天然記念物や文化財に指定されているもののほか、地元の人たちに長く大切にされてきた木ばかりです。
無理に登る、枝を折るなどの行為で木をいためることのないよう、お願いいたします。
法道寺薬師堂
所在地 | 八代郡氷川町野津(法道寺公民館) |
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