熊本県内各地に存在する、巨木の数々。
深い森の奥深くに、ちょっとした木立の中に、そして時にはぽつんと一本だけ立っている、さまざまな巨木を訪ねます。
巨木巨木言っていたら、熊本県内各地のかっこいい巨木情報がどんどん集まってくるようになりました。
ありがとうございます。
そんな中から今回見に行ったのは、大津町の「天神森の椋(てんじんもりのむく)」あるいは「椋天神」と呼ばれている巨木です。
「天神森の椋(むく)」への行き方
所在地は菊池郡大津町大字町。やや分かりづらい場所にあります。Googleマップでは残念ながら出てきません。
県道202号を立野方面へ向かう途中で右折し、白川に向かう道の中ほどにあります。
さらに椋の木は道路から少し奥まった場所に立っています。
道路右手に見える「天神森の椋」という立て看板と石碑を目印に探してみてください。
平成元年製の立て看板には、熊本県指定天然記念物の説明が書かれています。
冬の椋の木とご対面!
民家と畑の間にある細い道を進んでいきます。
「天神森の椋」が見えて来ました。
椋の木は落葉樹ですが、取材日は12月です。すっかり葉が落ちている上に、この日はあいにくの曇り空。
寒々しい印象かと思いきや、なんだか背筋が伸びるようなかっこよさです。
青葉が生い茂る季節だけでなく、寒さ厳しい中で静かに立つ姿というのも、強い生命力を感じます。
幹周りは約7.9メートル、高さは約21メートルあり、椋の木としては県内最大級なのだとか。樹齢は500年から600年ほどと言われています。
なぜ「天神森の椋」と呼ばれているの?
今は民家や畑に囲まれている椋の木ですが、かつてはここに天神様がまつられていたために「天神森」と呼ばれています。
「椋天神」「椋殿様(むくどんさん)」という呼称もそこから来ています。幹には、しめ縄が巻かれていました。
さらに、根元には幣(ぬさ)が供えられています。
鎮守の森や大きな本殿などはなくても、今なお村のご神木としてここに立っているのだな、と感じる風景でした。
まとめ
大津町の「天神森の椋」は、村人に長く大切にされてきたご神木でした。
春になって緑の葉っぱが出てきたら、また見に行きたい巨木です。
*ご紹介する巨木は各自治体で天然記念物や文化財に指定されているもののほか、地元の人たちに長く大切にされてきた木ばかりです。
無理に登る、枝を折るなどの行為で木をいためることのないよう、お願いいたします。
天神森の椋
所在地 | 熊本県菊池郡大津町大字町 |
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