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ウニ漁は命がけ!約20kgの重りを着けて海底へ沈む天草の”裸潜組合”の漁に参加してきた

ライター:山田 山田
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海の幸が豊富な天草、中でも今の時期は濃厚な味わいの「ムラサキウニ」が旬です。ウニ漁といえば、海女さんたちが獲っているイメージですが、天草市五和では”裸潜(らせん)組合”という組合に属する男たちが、腰回りに鉛の重りを着け、更に約20kgの重りにしがみつき海底へ沈み、ウニを獲っています。美味しいウニが食べたくて取材に行ってきました。


命がけでウニを獲る男たち

こんにちは、チャーミングポイントは愛と勇気がはち切れんばかりに詰まったぷっくりお腹、肥後ジャーナル随一の海の男・山田です。

みなさん、ウニは好きですか?私は大好きです。でも、高いですよね。私の経済力では滅多なことでは食べられません。なので、獲りにきました。密漁にならないように、しっかりとこの場所でウニ漁をしている”裸潜組合”なる名前からしてヤバそうな方々に取材として同行しています。

”裸潜組合”は、天草漁協の五和支所にあり、地域の漁師約40名が加盟されています。イルカウォッチングができるとこの近くです。

なんでも、漁船から飛び込み海底のウニやサザエ、アワビなどを獲ってくるんだとか。楽しみですねぇ。

潜り漁は2人1組で行い、一人が潜って一人は船上でサポート。

大切なのが、船に固定されたこのヒモ。

先には小さな鉛の重りがついているのですが、これが約20kgあり見た目以上に重い。

体にも重りを付けた上で、この約20kgの重りのついたヒモにしがみつき、一気に15m~20mの海底まで沈んでいくそう。

そして、息が続く限りウニを拾い集めて、もう無理!となったらヒモを引っ張り海上のパートナーに合図。すると引き上げてくれるそう。70代のご夫婦で漁に出ている方もいるそうです。すげぇ。

早速、私も潜ってやろうと服を脱ぎ捨てました。

今回は新人ライター・くにも君を撮影兼道連れ係として連れてきました。

わらわらと人が集まってきました。

裸で潜ると書くくらいなので、筋肉隆々の男たちがわんさかいると思っていましたが、なんだろう。みんな服着てる。

なんでも今日は幼いウニ、稚貝を海に放つそうです。好き勝手獲るだけだとウニがいなくなってしまうため、収穫できる時間や1回あたりの穫っていい上限も厳格に定められています。しっかり、ウニが収穫できるように稚貝を放っておくそうです。

むしろ、裸で行った私のほうがめちゃくちゃ浮いていて、大爆笑されました。なんでや。

なんでも、今では安全を考慮してきっちりスーツを着て潜っているんだとか。この季節、私の格好は無謀なのだそう。

「大潮の後で流れも急なので命の保証ができません。なので、今回は”ちゃっぽん”にしておきましょう」と言われました。

命の保証ができないのも怖いですが、”ちゃっぽん”って響きもめちゃくちゃ怖いです。

いざ出港

”ちゃっぽん”が不安で仕方ないですが、少なくとも通常の潜りより安全だと思うので、いざ出港。

この日は4月後半、暖かい気候ではありますが、まあ海を楽しめる気候ではなく漁師のみなさんからも「俺達も裸じゃ入りたくない」とか言われましたが、1月にシーカヤックで海に落ちた私には恐れるほどでもありません。

本当はこんな感じの完全防備が正しい潜り漁の格好らしいです。素肌に岩などが当たると傷だらけになってしまうそう。

私の傷だらけの人生、これ以上傷が増えても何の問題もないので、恐るるに足りません。

こちらの漁師さんは今回、稚貝の放流を担当。途中で食べられてしまわないように海底まで潜って稚貝を放っているそうです。

ということで、各地に稚貝を放ちながら浅瀬までやってきところで「この辺でやってみようか」と言われました。

”ちゃっぽん”とは裸潜組合の方々が、浅いところに潜って漁をするときに使う言葉。だいたい3~4mほど潜るそうです。

”ちゃっぽん”してみた

このくらいの浅瀬なら超余裕!いざちゃっぽん!!!

まずは私も稚貝を放流しました。すっっっごい、水冷たい。

浅瀬とはいえ、海の底は普段私たちが目にしている海とは違いとても素敵な光景でした。見せたかったなぁ。

今度は船の上で爆笑していた後輩・くにも君も引きずり下ろし、一緒にウニを探すことに。食べたいなら一緒に探すよね?

で、案外あっさりウニ発見!時期的に分かりやすい場所のウニは獲り尽くした後だとのことでしたが、岩の間を念入りに探したらすぐに見つかりました。

ただ、ここで大きな問題が発生。海底のウニは潜水して獲るのですが…

私、お腹の脂肪の浮力が強すぎて潜水できませんでした。5年くらい前までいくらでも潜れていたのにオカシイ。

ここで、先程、船上で撮影した私のお腹を御覧ください。どんなにもがいても沈んでくれない浮力抜群のお腹です。

潜水できないとなると、海底のウニを獲ることはできません。由々しき事態です。

漁師さんから借りた重さ7kgの鉛の重りを腰に巻き付けます。これで私のお腹も沈むはず。

正直、この状態で海に入ったら沈むところまで沈んでしまうんじゃないかと思うほど怖いんですけど、美味しいウニのためです。

いざゆかん!海底へ!!!待ってろウニ!!!

……

まさかのお腹から浮き上がってしまいました

嘘でしょ。え?私のお腹の浮力、7kgの重りに勝ったの?

海の中にまで聞こえる船上の大爆笑。もうこのまま沈んでしまいたい……沈まないんですけど。

なんだかんだで、この後も2人して浅瀬で頑張ってウニを獲り、

なんとか船に戻ったときには何個かとれていました。

なんだか打ち上げられたセイウチみたい。

そして船上で、割ってもらいました。

獲れたてウニの味

パカッと割ったウニはこんな感じ。うーん、グロテスク。これを洗って、黄色い卵の部分だけ食べます。

私達はウニって美味しくて安全だって分かってるから食べますけど、こうやって見ると人類で最初にウニを食べた人は勇者か異常者のどちらかだと思います、本当。

ズズズッと贅沢に指ですくって食べます。濃厚すぎてめちゃくちゃ美味い。

これだけ新鮮なウニを食べることって、まずないです。うめぇよお。

くにも君も大喜び。初登場で海に突き落とされてるのにこの笑顔。なかなかの逸材です。この笑顔が引きつる日が楽しみで仕方ありません。

美味しかったんですけど、とても疲れました。私は今回”ちゃっぽん”を体験させてもらいましたが、普段、潜りの方々はもっと深いところまで沈んでいくのですから、この比ではないはず。しかも、漁獲できる時間や量も制限があって、割って洗って身だけの状態にするのも漁師の仕事。

取材前はウニ高ぇよ!と思ってたんですけど、実際にやってみるとめちゃくちゃ安いんじゃないかって思いました。

自然と漁法を守る男たち

最後に、船上で移動中に聞いたお話。

これだけ過酷な潜り漁。昔から続く伝統的な漁法ですが年々従事する方は減少し、数年前には70名いた”裸潜組合”も40名まで減少。それには過酷さだけではなく漁獲量の減少もあるそうです。

「ここ10年で海中の様子がかなり変わった」と言います。海藻が減り日が差し込むことで軟体サンゴという植物が育ち増えたことで景色が変わると同時に、ウニが住み着く岩場も減ったそう。今回の稚貝の放流の他にも、海底にシートを貼って軟体サンゴの成長を抑えたり、海の環境を守る活動もされています。もちろん、それは彼らの収入にならないどころか費用だけかかること。

それでも、海の環境とこの伝統的な漁法を守るために日々頑張っているそうですよ!

実際にやってみると知らないことばかりだったウニ漁。美味しいウニが食べる際には、潜って獲っている人がいることをぜひ思い出してくださいね!

天草市五和の海

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ライター紹介

山田

山田

肥後ジャーナル編集部の大きい人。前職は地域経済誌記者やマーケティングのディレクター。将来の夢はヒモになること。 特技は睡眠で、朝起きるのが苦手です。

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